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【読書記録】マチネの終わりに(平野啓一郎)。未来と過去。希望と悔恨。
マチネの終わりに(平野啓一郎)を読んで。
静かな場所で読み返したくなる一冊です。
完全な静寂はなくなった
もはや、地球上には心休まる静かな空間などないのかもしれない・・・
世界全体がうるさくなっている
朝起きてから夜寝るまで、いっさいの音が耳に入ってこない人なんていないだろうと思う。
現代人には、静かに生きていく権利は与えられていないのかもしれない。
必死にならないと生きていけない世界
常に誰もが、忙しい毎日を送っている。
言い方を変えれば、必死に生きすぎているのかもしれない。
静かな環境で休まる時間もないのに、次から次へと新たな仕事が舞い込んできては、手一杯になっている。
休むことも許されず、仕事に追われているのに、さらに詰め込もうとしている。
休息は死の世界で
肉体的にも精神的にも疲れきってしまっている。
人間が、心の底から休める場所は地球上にはないのかもしれない。
休める場所があるとするのなら、その場所はおそらく死の世界だろう。
未来は一つだけ
「未来は変えられる。過去は変えられない」は、間違いだった。
【関連記事】未来は変えられない。だけど、過去は変えられる。
未来と過去。希望と悔恨。
過去を悔やむ気持ちが、自分を信じる心を作る。
自分を信じる心が、未来の希望になる。
自分には、「何かができるはずだ」と、自分の未来を信じる必要がある。
あの時、自分には、「何かができたのではないか」と、過去の出来事を悔やむこともある。
人間が成長していくには、どちらも必要
「自分にはできる」と自分を信じて未来に対する希望を持ち、過去に対しては「自分は何かできたのでは。」と悔やむ。
過去の出来事を悔やむ気持ちが、自分を信じる心を作り出す。
自分を信じる心が未来の希望になる。
それが人としての成長なんだろうなと思う。
「今」に集中する
人が成長するタイミングっていうのは、常に「今」。
過去を振り返って悔やむ気持ちを、未来の自分を信じる気持ちに変える。
この「今」という瞬間が、人を成長させる。
さいごに
未来や過去の捉え方を考えさせられた本です。