未来は常に過去を変えているんです

引用『マチネの終わりに』平野啓一郎

未来は変えられない

「未来は変えられる」
よく聞く言葉ですよね。

ですが、本当に未来を変えられるかどうかは、誰にもわからなかったりします。

「未来が変わった」と、誰が判断できるのでしょうか。
未来というのは、常に「そうなるように」できているものなのでは・・・と、思います。

「未来は変えられる」って、実は、ものすごく適当な言葉なんです。

未来は1つしか来ないのだから、変えるもなにもない。「変えようがない」が正しいのでは。

過去は変えられる

逆に、「過去は変えられない」って言葉もよく聞きますよね。
過去に戻って、変えることはできない。

未来とは違って、過去は「事実」しかないから、確かに変えようがないのかもしれない。

そういう意味では、「過去は変えられない」は、正しいのかもしれませんね。

だけど、「未来は変えられないけど、過去は変えられる」が正しい表現だったりします。

「過去は変えられる」というのは、「事実に対する考え方は、変えられる」ってことです。

未来は変えられないけど、過去は変えられる

たとえば、あなたが「仕事で大きなミスをして、上司に怒られた」という出来事があったとしましょう。

「ミスをして、上司に怒られた」という事実は変えることはできません。
変えられないけど、無かったことにしたい過去ですよね。

でも、ミスをしたことで、あなたも上司も「どういう状況でミスが起きるのか」という教訓を得ることができると思いませんか。

たくさんミスが起きれば、たくさん教訓を得ることができる。

そうやって、組織はより強くなっていくものだと考えれば、あなたのミスは、無かったことにはできなくなりますよね。

今のあなた次第で、過去はいくらでも変えられる

どんなに注意していても、ミスが起きるときは起きる。

あなたがミスをするという未来は、変える事が出来なかった。
ミスをしたという事実も変えることはできない。

だけど、ミスをしたことによって得られた教訓は、いくらでも変えようがあるのではないでしょうか。

過去の「事実」は変えられないけど、「事実に対する考え方」はいくらでも変えられる、ってことです。

さいごに

過去の無かったことにしたい事実も、笑い話にできる。
笑い話にした瞬間が、過去を変えた瞬間なのではないでしょうか。