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【読書記録】夏と花火と私の死体(乙一)。死体が語ります
夏と花火と私の死体(乙一)を読んで。
死体はすべてを知っている・・・
本質を理解することが重要
でたらめに答えて、あの誘拐事件に巻き込まれたと思わせればいいのにと弥生ちゃんは思ったのだが、弥生ちゃんも健くんに合わせて答えた。嘘で周りを塗り固めずに、大切な部分だけを偽ることが最も安全だと、健くんは直感的に悟っていたのだ。つきすぎた嘘が大きくなって崩壊していくのを恐れたのだった。
嘘をつくことはいけないことだけど、たまには良い嘘もあったりするから、一概にダメとは言えないのが大人の世界だったりしますよね。
嘘を1つつくと、その嘘を正当化するために新しい嘘をつかなければいけなくなる。
だけど、嘘をつけばつくほど、正当化することが難しくなって、いつか嘘がバレる。もしくは、自分から暴露することになる。
本当に大切なのは本質だったりします。
本質の部分だけ正当化すればいい。
これは嘘に限った話ではないけれど。
ブレてはいけないところは、決してブレさせない。
ところどころ違和感のある文章が出てくる
朝はわたし以外の全てのものの上にやって来て、わたし以外のみんなは生きていた。
死体目線で語られる物語特有の表現方法なのかもしれない。
この一文には、いろんな捉え方があると思う。
妬みや恨みを伴っているようにも読めるし、ひらがなが多いからか、明るく朝が来たことを祝っているかのようにも読める。
語り手の気持ちは、誰にもわからない。語っているのは死体なのだから・・・