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【読書記録】斜陽(太宰治)。「世間のことを知る」ことが、いかに重要か
斜陽(太宰治)を読んで。
お金、愛情、世間、恋。
富裕層でも貧困層でも、悩みに関しては大差ないのかもしれない。
お金は大事。愛情だけでは生きていけない
お金は大事なものですよね。
お金がすべてじゃないと言うけれど、お金がないと何もできない。
お金以外にも大切なものはあるけど、まったくお金が必要じゃない時っていうのは、そうそうないだろうと思う。
お金がないという事は、恐ろしいことだと理解しておく。
お金がないという事は、惨めな思いをするという事を理解しておく。
お金がないという事は、救いがないという事も理解しておく。
本当にお金がない人のところには救いの手は差し伸べられないです。
愛情だけでは飯は食えない。
お金がないと、たとえ愛情があっても生きていくのは難しい。
心中自殺なんてまさにその典型例なのではないでしょうか。
「愛し合う二人が一緒に死を選ぶなんて、なんて馬鹿なことだ」って思うけど、お金がないという事は選択肢が狭まる。
愛情があっても、愛情だけでは選択肢は少なすぎる。
他人の評価は気にしない
他人の自分に対する評価を気にしていたら生きていけません。
「よそはよそ、うちはうち」です。
人からの評価なんて、見る人によって変わる。
お金持ちから見たら、ボクは貧乏に見えるだろう。
だけど、貧乏人から見たら、お金持ちに見られるかもしれない。
自分にとって得なこと、もしくは得でも損でもないことは、あなたのことをそのまま受け入れてくれる。
しかし、自分にとって損なことが起きるかもと考えると、人は急に冷たくなる。
恋と革命、現代病
恋に突き進む女性の決心は揺るぎがないものです。
どんなに嵐であっても、一度決心したら、革命を起こすまでは帆を下ろそうとはしない。
この場所にいれば、安全だけど、勇気を出して一歩外に出てみることが大切。
革命を起こす起こさないにかかわらず、人生を楽しく生きていきたいのなら、外に出るべき。
これは、現代社会でも言えます。
仕事が嫌で嫌でたまらない人はたくさんいると思います。
耐えきれなくて、精神を病んでしまう前に勇気を出して辞めることです。
精神を病んでしまえば仕事もなくなるし、転職もできなくなります。
生きていけないかもという恐怖は、現状維持をしているから抱く感情です。
現状から抜け出すことができれば、意外と何とかなるものです。
世間のことなんて、大人も知らない
世間知らずなんて言葉をよく聞きますが、「世間のことをどれくらい知らなかったら、世間知らずなのか?」っていうラインは存在するのかなと思う。
たいていの人は、世間知らずのまま大人になって、世間知らずのまま死んでいくんじゃないかな。
大昔の本能のままに生きていた原始人とかなら、世間のことなんか知らなくても生きていけたかもしれない。
でも今は、世間のことを知っておかないと生きづらい世の中です。
生きづらくならないくらいのラインなら存在するかもしれないけど、なんでもかんでも世間に詳しいなんて人はいないです。
インフルエンサーに依存して、この人のいう事なら間違いないと鵜呑みにしてしまうのは危険です。
世間のことを知らなくていいんです。
知らないからと恥ずかしがる必要もないです。
その都度聞くことが重要なんです。
覚えることがたくさんある現代で、なんでもかんでも頭に詰め込むことは不可能。
さいごに
戦後没落していく貴族をモデルにしたという作品。
政治のこと、経済のこと、世間のことなんて、大人になっても知らないことだらけですよね。
お金持ちも、貧困層も、知識の量で言えばそんなに変わらないのではないでしょうか。
ただ、お金持ちは、貧困層よりも、少しだけ物知りだったりします。
その少しで、誰でもお金持ちになれる可能性があるのが、今の世の中なんじゃないかな。と、思う今日この頃。